ライターの梅田ミズキです。
「初心者 ライター」と検索すると、「未経験でも高単価」「初月から〇十万超え」など、煌びやかなワードを見かけることも少なくありません。
もちろん、ライターになってからすぐにしっかり道筋ができるのは素晴らしいことですよね◎
けれども私の場合は、専業でライターを始めてからじっくり1年を経て、執筆のペースや時間の使い方を見つけながら、徐々に食べていけるようになりました。
こちらの記事では、2019年の8月末に専業ライターになってから本記事を執筆するまでの1年間で私が感じた、執筆リズムを掴めるまでの過程を書いてみたいと思います。
私自身もまだまだ2年目ではありますが、これからライターを始めたい方や、ライターを始めたもののどうリズムを作っていけばいいか迷っている方の参考のひとつになればうれしいです。
- スタートラインは110円のタスク案件
- 書いて書いて書きつづけた専業ライター初期
- クラウドソーシングと直接契約のバランスを考え始めた5ヶ月目
- 体のケアとスケジュール管理の重要性を実感する8ヶ月目~現在
- 執筆リズムを掴むには自分のなかの優先順位を把握すること
スタートラインは110円のタスク案件
ライターには仕事の受け方がいくつもありますが、私の場合先駆けとなったのは、まだ専業になる前。クラウドソーシングでのタスク案件です。
クラウドソーシングの「クラウドワークス」に登録
育児休業中だった当時、自宅で始められる仕事を探していたところ、クラウドソーシングの大手「クラウドワークス」を知りました。
▼ クラウドワークス公式サイト
初めて取りかかった内容は、「現在住んでいる地域のメリットやおいしい食材について」というタスク案件。受注上限3件まで、1件につき110円です。
“やりたい・やりやすそう” なタスク案件をこつこつ積み重ねていたのですが、「せっかくなら今までしてきた仕事に関連した案件をしてみたい」と次第に思うようになりました。
「できること」に注力したところ新しい仕事をいただけるように
「条件を定めずに幅広い案件」から、これまでの経験を活かして「できる案件」に注力してみたところ、あるとき、発注元のクライアントさんから「福祉系でプロジェクト方式案件があるのですがやってみませんか」とのご案内が。
「稼ぐ」にはきっと重点を置けなさそう、と諦めていたタスク案件が、ある程度まとまった収入の見込めるプロジェクト案件へと繋がったきっかけです。
私にとってはここが、ひとつめの小さな転機だったように思います。
書いて書いて書きつづけた専業ライター初期
環境の変化に沿って専業ライターへ
ところで、「フリーランスでライターをしている方は、どのようなきっかけで専業を決めたのだろう」と考えることがあります。人が大きな決断をするとき、それが急激であってもゆるやかであっても、タイミングがあるはずですよね。
じつはほんのり持っていた夢を諦める形でライターの道に進んだのですが、「是が非でもライターになる」という意気込みで専業になられた方ばかりではないことを後々知り、「私だけではないのだな」と背中を押していただけた記憶があります。
専業ライターでの初仕事は文字単価0.8円
手に汗が滲むほど緊張した開業届の提出が、あっさり5分程度で完了してしまったことはさておき、専業ライターになってから最初の仕事は、ライフスタイル系のメディアでした。
クラウドソーシングからテストライティングを経て契約していただき、執筆テーマはDIYや生活雑貨、時短レシピなどについて。文字単価は0.8円で、スプレッドシートからテーマを選択し、執筆と画像選定をしながらCMSでの入稿です。
このころは、1時間で1000文字程度書ければよいほうで、時給では高くても800円といったところ。そこからさらにクラウドソーシングの手数料が引かれます(これがじわりと痛いのです)。
苦戦してペースに乗り切れないときは、500文字の執筆に1時間かかる日も。じっくり、と心掛けつつもとにかく数をこなすことで、マニュアルに慣れながらスピードアップを目指す時期でした。
(そのほか、この時期にはいろいろとあったのですが、まるっとお勉強になりました...!)
▼ ちなみにこのころからランサーズにも登録しました
クラウドソーシングと直接契約のバランスを考え始めた5ヶ月目
WordPress入稿で仕事の幅が広がる&挫折時期
それまで、CMS入稿やWordファイルでの納品がほとんどでしたが、このころに初めてWordPress入稿のお仕事をいただくようになります。
文字単価が上がった分、表記ルール・KW選定などのマニュアルが一気に増えたほか、SEOライティングを基礎からしっかりと学ぶ時期でした。
「マニュアルが一気に増えると大変そう」というイメージを持っていたのですが、個人的には、マニュアルが多いほうが書きやすい印象です。あくまで現時点のお話ですし、もっと言えばSEOはまだまだ苦手分野です。
新しいことを吸収できるのは楽しくもあり、もうだめ...と心が折れそうにも。SEOの奥深さと難しさにもがきつつも、このころから仕事の幅を広げられたように感じます。
メディアに直接営業をする
専業になって3ヶ月目あたりから、各メディアでのマニュアルを把握してスムーズな執筆ができるようになってきました。
あらゆることに手を出して収集できるほど器用ではないので、まずは3つのメディアで執筆を続けさせていただいたのですが、徐々に「自分がよく閲覧しているメディアで記事を書けたら」という願望がもこもこと浮かぶように。
クラウドソーシングの便利なところといえば、仕事の探しやすさだと思います。提案文を考える必要はありますが、とくに私のように地方在住のライターにとっては、クラウドソーシングは本当に画期的なツールです。
けれども、「クラウドソーシング上で“書いてみたい”と思えるメディアに出会える」ことはあっても、「“書きたい”メディアがクラウドソーシング上で発注をしているとは限らない」のですよね。
そこで、暮らしているなかで“記事を書かせていただきたい”と思うメディアに、直接営業を試みる時期にさしかかります。
「ライター募集」「お問い合わせ」からアピール
クラウドソーシングについて、「“書きたい”メディアがクラウドソーシング上で発注をしているとは限らない」と書きましたが、同じように「“書きたい”メディアにライター募集の項目があるとは限らない」というお悩みが発生します。
定期的に閲覧していたメディアのひとつがライターを募集しており、テストライティングを経て運よく契約していただけたのですが、「関わらせていただけたらうれしい」と思っていたもうひとつのメディアでは、ライター募集の項目は見つからず。
そこで、「お問い合わせフォーム」から問い合わせてみました。
結果は、「一般ライターの募集は現在行っていない」とのこと。ところが、こちらのブログと添付したポートフォリオとをご覧くださり、本当に運よく契約をしていただけました。
ちなみに、お問い合わせフォームからの募集問い合わせは、「本当にライター募集の項目がないか?」をよくよく確認してから行うようにしました。
ライター募集の項目があるのにお問い合わせから連絡をするのは失礼にあたりますし、
「事前にくまなく確認しないんだろうか」とマイナスな印象を持たれてしまう可能性もありますよね ×
また、返事が来ないことも珍しくないですし、「募集を出していないということは、募集してないのですが?」という返事をいただくこともありました(ごもっともです)。
SNSやブログを通じて仕事の依頼をいただくようになる
専業ライターになったと同時に始めてみたのが、TwitterやInstagram、そしてこちらのブログです。
5ヶ月目を過ぎたあたりからは、ブログのお問い合わせページやSNSのDMを通して、じわじわと仕事の依頼を直接いただけるようになりました。
児童福祉関連のコラム執筆ほか、医薬品関連の記事や音楽レッスンの紹介文作成など幅広いジャンルをいただきましたが、これは「自分がこれまで何をしてきたか、どんな仕事をしてきたか」を記す、ポートフォリオの存在が大きかったと思います。
また、クラウドソーシングであればすべて作る必要のなかった請求書や領収書などの発行も、直接契約をすることで自分で行うようになり、とっても勉強になりました。
▼ PDFの電子領収書が無料で作成できるサイトです
▼ 仕事の幅がぐいっと広がる「Wantedly」もおすすめです◎
(プロフィールを埋めなくては)
体のケアとスケジュール管理の重要性を実感する8ヶ月目~現在
夜にみっちり執筆して体調不良に
フリーランスになって、娘の急な体調不良などにスムーズに対応できるようになったのは、私のなかで大きなメリットです。家庭を持ちながらフリーランスをされている方は、同じように感じている方も多いのではないかと思います。
日中に満足に仕事ができなくっても、夜がある。そのうえ慣れてきて(まだまだですが)、執筆が楽しくなったことで夜遅くまで仕事を繰り返したところ、体調不良がつづくようになりました。
起床時間は変わらず毎日5時で、慢性的な寝不足気味に。集中力がなくなり、執筆のスピードががくんと落ちました。
タイムスケジュールの快適さが身にしみしみ
これではいけない、と体調管理の大切さを痛感。このころから、Googleカレンダーでタイムスケジュールを組んだり、ポモドーロタイマーを導入したりするようになりました。
▼ Googleカレンダー
▼ ポモドーロタイマー
もともと手帳が好きで、1日の終わりに翌日の予定を書きこんでいたのですが、8ヶ月ごろからは、朝起きてからその日のタイムスケジュールをGoogleカレンダーに作成。
あまりきちきちしすぎても辛いので、「6~9時 家事」「9~12時 〇〇記事」「12~12時半 昼食」という具合に1日のスケジュールをざっくりと入力します。見通しが立つことで、「あれもこれもしなくては」から「今はこれをしてていい時間」という考えに切り替えられました。(言い訳しながらおやつは食べます)
ポモドーロの設定時間は本当に人それぞれのようですが、私の場合、導入初期はデフォルトの【 仕事25分→休憩5分 】で設定していました。
ところが、「ノってきたかも...?」というときに休憩になってしまうことが多く、そのたびにもやもや。今は、自分が快適だと気付いた【 仕事45分→休憩10分 】で設定しています。(たまに休憩が長くなります)
執筆以外の仕事をいただけるようになる
夜に仕事をしすぎて体調を崩したとき、自分の実力に見合わないくらい多くの案件を抱えてしまっていました。
依頼をいただけばつい「できます」とお答えしたくなるのですが、迷惑かけないようにとオーバーワークになっては意味がないと実感してから、手あたり次第案件を抱えすぎるのをまずは控えてみることに。
そして、半年または1年継続してお世話になっているクライアントさんとじっくり関係を築いていくことで、取材助手やアプリのキャッチコピー作成など、記事執筆以外のお仕事をすこしずついただけるようになりました。
とはいえ、いただいた分をまるっと引き受けられる実力をつけるに越したことはありませんね...!継続していただいているからといって油断禁物ですし、ライターを募集している媒体を頻繁にチェックしておくのがよいと思います◎
繋がりのありがたみを知る
こちらは8ヶ月目にして気が付いたわけではないのですが、ライター仲間さんとの繋がりは、間違いなく精神的な支えになりました。
パソコンに向かって仕事をしていると、ふと話がしたくなったり、仕事についての相談をしてみたくなったりします。そんなときにSNSを覗きにいくと、真剣な話や親しみやすい話などをしてくれるライター仲間さんがいて、とっても安心できました。
執筆リズムを掴むには自分のなかの優先順位を把握すること
飽きずに継続を目指した専業前のタスク案件、ライティングに慣れることを優先した1ヶ月目、直接契約に踏み出した5ヶ月目、体調管理も優先しなくてはと知った8ヶ月目――。
1年間ライターを継続して大切だと感じたのは、「自分のなかの優先順位を常に知っておくこと」でした。
私は、元の仕事で持っていた夢よりも家庭を優先するつもりでライティングを始めましたが、家庭とのバランスを鑑みながら、今ではすっかりライティングが好きになっています。
クラウドソーシングに関してはさまざまな意見がありますが、私はきっとタスク案件の経験がなければ、ライターになるためのきっかけすら見つからなかったはずです。
「未経験や初心者でも始められる=努力しなくても稼げる」という甘い世界ではもちろんありませんが、クラウドソーシングがあることで、ライターの入り口はかなり大きくなっているのではないかなと感じました。
自分に何ができるかを考えながら、2年目も一歩ずつ仕事を進めていきたいと思います。
参考になるかは分からずつらつらと書いてしまいましたが、「ふむふむ、こんなライターもいるのか」とちょっぴり参考にしてみてくださいね。
ー 最後までお読みいただきありがとうございました -
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